デバイスAPI

これまではネイティブアプリケーションの領域であった, 外部デバイスを利用することが, Webアプリケーション, すなわち, ブラウザからも可能になってきています.

そのなかでも, Web Audio APIを利用したWebアプリケーションで利用することが多くなると思われる, WebRTCとWeb MIDI APIの概要について解説します.

ただし, これら2つのAPIはまだ実験的なAPIということもあり, 利用可能なブラウザは限られます (表4 - 1 - a.).

表4 - 1 - a. WebRTC / Web MIDI APIが利用可能なブラウザ
APIBrowser
WebRTCChrome, Opera, Firefox
Web MIDI APIChrome (Mac)

WebRTC

WebRTC (Web Real-Time Communication) とは, ブラウザ間でリアルタイムコミュニケーションをするためのAPIです. WebRTCによって, ブラウザからマイクやカメラにアクセスして, 音声や動画をリアルタイムに処理することが可能になります.

Web MIDI API

Web MIDI APIとは, ブラウザとMIDIデバイスを接続するためのAPIです. Web MIDI APIによって, ブラウザとMIDIデバイス間でMIDIメッセージの送受信が可能になります.

MIDI (Musical Instrument Digital Interface) は, 電子楽器の演奏データをデバイス間でデジタル転送するための規格です. 具体的には, 物理的な送受信回路やインタフェース, 通信プロトコル, ファイルフォーマットが定められています. MIDIに関しての詳細はこちらが参考になるかと思います.

もっとも, Web MIDI APIを利用するために必要なMIDIの知識はわずかです. したがって, MIDIの知識がほとんどなくても, Web MIDI APIを利用することは可能です.